ラッシュを見る予定はなかった

今になって変な方向で話題になったアークファイブのせいでアニメ遊戯王に興味をもって、DM以外知らなかったけど手を出してみた俺。もともとOCG販促分だけ見てラッシュ分は見る予定なかったが、なんかあまりにも空気過ぎて逆になんでこんなに影薄いか興味持ってしまったので見てしまった。

リアタイで見たDMだけしか知らない素人おじさんが今になって色々見て調べた感想を書く記事これは。


序章・嫌いじゃないんだけど、すごく面白くもないゴーラッシュ

一応ゴーラッシュを途中まで見た感想は「嫌いじゃない」けど「すごく面白いわけでもない」。VRAINS見たときと同じ感想が出た。VRAINSも同じで嫌いじゃないけどすごい好きでもない、カード名が覚えられないという同じ問題を抱えていると思ったので記事にした。

長所
・軽いノリで肩肘張らず見れる、暇つぶしにはちょうど良い
・展開がアバウト

短所
・VRAINSでも指摘したが、カード名が覚えられない
・他のアニメに対して特に秀でた点があるわけではないのでアニメ飽和状態の現代に見る必要が無い
・キャラもそんなに印象に残らない薄めのキャラ
・日常回が多いがそれがつまらない

あくまで俺が見た上での駄目な点。

これについて考察してみる。

1章・イマイチ跳ねないゴーラッシュ

面白さ的には割と普通に面白い

ただ飛び抜けて面白いところが少ない上に過去の遊戯王アニメという比較対象があるため、感想を書くとどうしてもダメ出しになってしまう感じ。そのダメ出しもあえて言えばレベルの物が多く、飛び抜けた欠点は無いが飛び抜けた長所もないという感じになっている。そういう意味でVRAINSが近い気がする。ただ子供向け故の簡素な内容も相まってあんまり掘り下げられないので、曲がりなりにも掘り下げる余地があったVRAINSと比べても表面的な要素に対してダメ出しする程度になる。

SEVENSはまだ結構長所っぽいものがあったんだが、ゴーラッシュは良くも悪くもすごく大人しい内容。ゲームなんか見ても王道の二番手みたいなのから壊滅して、トップとマニア向けニッチに大別化されていったように、王道の微妙なラインの作品は現代では一番衰退しやすい。

足りない数字

公式配信のYou Tube再生数は僅か2万だし、ツイート数も1時間に数ツイート、本スレの勢いもあまりない。なにか本当にすべての数字が足りない。

薄い反応

ネットを見るとあのアークファイブ時代と比べてとにかく話題がないことがわかる。荒れまくったアークファイブを100とするとVRAINSは20、SEVENSは10、ゴーラッシュの話題は3くらいしか無いんじゃないか。本スレ、アンチスレ、大百科、Twitter、まとめサイト、動画サイト、どれを見ても話題がほとんど無い。本当に無反応という言葉がはっきりする。AVのような否定的な言説は少ないが、逆に盛り上がりもない。バズらない。レスバにすらならないし、普通に面白い程度なので暴走する信者みたいなのも居ない、嫌なら見るなが成立してるからわざわざ見てるアンチも少ない。俺は普通に楽しんでるけどそれはそれとしてダメ出しというか空気な理由を考えてる人。

好きの反対は無関心、悪名は無名に勝る

AVが好きの反対は嫌いなら、ゴーラッシュは無関心という反応。AVはネット中にアンチが散らばった挙げ句関係ない場所にまでアンチが飛び火したせいで遊戯王なんてDMで卒業の俺にまで今の遊戯王がヤバいことになっていることを知ってしまうレベルだった。そのせいで最終的に遊戯王アニメに興味を持ってしまったわけで、こうして本来見る気がなかったラッシュにまで手を出してしまったわけだが。

本当に悪名は無名に勝るというか、ゴーラッシュ、本当に話題が無い。現行アニメとしては1時間に数ツイートくらいしか無かったりして空気子供向けアニメ並のツイート数だし。AVがすごく荒れたのに対して本当にゴーラッシュは平和、ただ話題がない。争うほど話題がない。

OCG販促時代末期はめんどくさい決闘者の愚痴で雰囲気世紀末だったのは事実だが、切り捨てた結果愚痴すら消えて平和だが過疎という環境になってしまった感じ。

OCGとかマスターデュエルのほうが伸びてる

すでに販促アニメも終わったOCGや、マスターデュエル関連の方がずっと話題が多い。You Tube見るとOCGの決闘動画のほうがアニメゴーラッシュの再生数より伸びている。ゴーラッシュは本当に空気だ。

2章・全体的に薄味のゴーラッシュ

カードが印象に残りにくいのと話が薄い

欠点を見るとVRAINSと同じものを抱えている。VRAINSも見ててこのカード使いたいとかこのカード俺もデッキ組みたいとかそういうのがなかった。そこそこ楽しんでたんだけど、普通のアニメを決闘で水で薄めたようなアニメになっていた。ゴーラッシュも同じ問題を抱えている、普通のホビアニをバトルシーンが長いトレカアニメなので話が薄まっただけみたいな感じ。

DMみたいな決闘内容が狂ってておかしい展開が連続して発生して結果決闘内容そのものが変な方向で濃いとか、後述するGXみたいにキャラとデッキがリンクしててカードが印象に残るわけでも、5dsみたいにメインシナリオが面白くてそれにうまく決闘とカードが絡んでいるわけでもない。

普通の子供向けアニメのシナリオで戦闘がカードってだけなのだ。その上で後述するカードと決闘者の関係性も無いので、どうしても印象が薄い。楽しめるけど、記憶に残らないアニメになってしまっている。

キャラが印象に残りにくい

なんかネットの少ない否定的意見を見ると「劣化ZEXAL」って呼ばれてるゴーラッシュだが、俺はむしろ劣化GXだと思う。なんかキャラのノリが「子供向けアニメの変なキャラ」が多いあたりGXっぽさがある。でもGXの大山みたいな1話ゲストなのに脳裏に焼き付いて離れないような狂気のキャラが今の所見当たらない。大山は17話のゲストなので、序盤も序盤にあのマジキチキャラが出てきたのだ。ゴーラッシュのキャラは妙に印象に残らない。

同じく「変なキャラのオンパレード」なGXとゴーラッシュの違い

GXはカードとキャラの紐づけが強い。ドローにこだわる大山はどローラーやドローンなどドローという名前が付くカードを中心にデッキを組んでいる。また他にも初期のGXゲストとしてはDMから引き続き見てる勢が多そうな序盤に遊戯デッキのコピーを扱う偽遊戯神楽坂、脱力系もけもけ使いもけ夫など個性派揃いかつデッキとキャラの紐づけが強い。

そのキャラとデッキの紐づけの最たる例は2部のボス斎王琢磨、運命力、つまり運を味方につけて、実際の決闘で使うと絶望的に弱い運ゲテーマ「アルカナフォース」を使ってくる。遊戯王みたいなトレカもののご都合主義展開をネタにした濃ゆいキャラで、本来ならデメリット効果の酷いアルカナフォースで高確率で自分に都合のいい効果を発動するキャラなのだ。テーマ含めて印象に残るのも仕方ない。

そのためゲストがカードごと印象に残るのが強い。

ゴーラッシュを見るとみんな濃いキャラとデッキが噛み合っておらず、逆に万丈目とおジャマみたいな噛み合わなさを全面に押し出したような雰囲気でもない。純粋にキャラとテーマが独立してしまっている。


3章・カードの印象が薄い

カードのドラマが無い

昔の遊戯王はカードにドラマがあった。万丈目とおジャマイエローとか、社長と嫁みたいな。そういうのがゴーラッシュ…というより最近の遊戯王には弱い。だからカード名より覚えられなくなっているんだと思う。カードゲットイベントが弱いのだ、最初からデッキがあって決闘しちゃうから、デッキを作る面白さがない。収集、構築、決闘の内決闘だけやってるからイマイチ感がある。城之内なんてかなりのカードにゲットイベントがあっただけにカード1つ1つが印象に残るのだが、ゴーラッシュにそういうのあったっけとなる。

個人的に遊歩はドラゴン使い、レギュラー、社長、女子と掘り下げる余地があるキャラなのに、イマイチ活用されてない、ちょっともったいないキャラ。遊飛はカードよりなんか手を貸してくれてるユーディアスの同胞達との絆のほうが掘り下げる余地が大きそう。

カードのデザインがイマイチ

全体的に普通の子供向けアニメのカードデザインで、昔の遊戯王アニメに見られた濃いセンスのあるモンスターが居ない。名前、デザインともに普通というか、DS時代の子供向けのマイナーゲー厶みたいな感じの残念さがある、要するに全体的にどこかで見た感じで陳腐さとチープさが拭えない。あと作画演出面でももう一歩足りない。ZEXALあたりはまだその辺しっかりしてたんだなって思わされる。

正直ラッシュが跳ねないのはカードデザインが今ひとつなところもあると思う。初期の遊戯王やポケモンあたりが跳ねたのはモンスターデザインが秀逸だからってのはあったと思う逆に。ゴーラッシュを見ているとドラゴンモンスターのデザインが全体的に「どこかで見た」感じの奴が多い、なんか没個性、更にネーミングも過去のモンスターと差別化する関係もあって微妙に覚えにくい名前のモンスターが多い。過去の遊戯王におけるリボルバードラゴンとかブラック・ローズ・ドラゴンみたいな独自のキャラ性があるモンスターが見当たらない。

ラッシュのルールのせいで結局1枚1枚が軽い問題が解決してない

遊戯王は新しい作品ほどカードの印象が薄い。原因はソリティアのせいで大半のカードが素材やコンボパーツとして消費されてしまうからだ。だから本当に古いほどカードの印象が深い。新ルールにしたが1ターンに3体フルに召喚できるルールのせいで1決闘が短い割に一気にカードが10枚くらい使われるため、結局ほとんどのカードが印象に残らない。それに前述するデザインが微妙とかネーミングがイマイチとか、キャラとカードの紐付けの弱さが加わり、結果カード販促アニメなのに肝心のカードの印象が薄いアニメになってしまう。

SEVENSはまだ頑張ってた

SEVENSは遊我のセブンスロードマジシャンがある程度存在感があった。2100のフレイムウイングマン的ポジかつマジシャン名乗ってるけどブラマジとは印象の違うデザイン。顔つきも今までの遊戯王であんまり見ないタイプの顔で召喚演出もまあまあ凝ってた、ZEXALに出てきそうで出てこない感じの顔してた。新ジャンル立ち上げということもありSEVENS序盤は気合は割と入ってたと思う。

ゴーラッシュはメイン3人のエースがどれもそれぞれ別の問題抱えてるが、総合的に言うと全員割と没個性。なんかVRAINS見てるのと同じ感じ。ガチ勢目線では一応ある程度名の通ったモンスターも素人目線だとなんとも言えない。シリーズ化故のマンネリ化が新シリーズですでに始まってる感じ。

4章・子供向けアニメというジャンルが跳ねない時代

2012〜2022年に跳ねた子供向けアニメ、2つくらい

この年代に跳ねたのって妖怪とシンカリオンくらいしか思い浮かばない。ダン戦とプリティーはもっと前。なので子供向けアニメ系で跳ねたのは本当に無い。遊戯王誕生からブーム前後の時期はポケモン、ミニ四駆、ZOIDS、メダロット、TFBW、デジモン、エクゼ、どれみ、プリキュア、クウガと毎年ヒットが出ていたレベルなのに。理由は色々あるが、それについて考える。

昔より子供向けアニメが子供っぽくなり、子供以外お断りになった

昔は子供向けアニメ(コロコロ系アニメなど)と厨ニ向けアニメの中間位を狙っているアニメが結構あった。昔の遊戯王とかZOIDSとか一部のガンダムとかその辺。最近はそういうのがなくなった。子供向けアニメは子供以外お断りになり、それ以外のアニメは子供お断りになった。現状子供お断りじゃない子供向け以外のアニメってコナンとワンピースくらいしか無い。

ZOIDSとかもうバン時代の「あんまり子供っぽくない子供向け」は無理になった。今のZOIDSはキッズアニメのOLMによるより子供っぽいノリのアニメになっている。ミニ四駆は第三次第四次ブームのときはマンガだけでアニメ化はしていない。アニポケはポケモンユーザーが大半中学生以上の現状で子供向けに無理が生じてすぐに炎上するアニメになった、仮面ライダーは対象年齢をクウガのときより下げて子供向けっぽくしている。逆に90年代によくあった対象年齢曖昧な美少年美少女ヒーロー系は子供向けと深夜アニメ系にガッツリ割れた。

大きなお友達の消滅

大きなお友達という言葉があった。子供向けアニメやコンテンツに群がる大人気ない大人という意味のワードである、セーラームーンオタクなんかに対して使われた。今はぶっちゃけそんなに聞かない、理由はアニメもゲームも充実しすぎてわざわざ子供向けアニメに無理して群がらなくてももっといいアニメがいくらでもあるからだ。
ポケモンなんかは今度はユーザーがむしろ小学生以下の比率が過半数割っており、むしろ中学生以上のプレイヤーのほうが多そうである、だから大友というワードが不適当になってきている。俺がSV買いに行ったときも前に居たイケメン20代2人もポケモン買っててったし、もはや大友とか言うワードはどこかに消えている、多分後ろに並んでたやつもポケモン目当て。在庫も凄まじい量あったし、パッケ250万、DL込400万みたいなこと任天堂言ってたし、すでにSMの売上超えてるし、決算の時はどうなるんだこれ。

今でもこの手の層が多いのってプリキュアくらいだろう。

なので子供向けアニメは完全に子供のものになった。ガンダムもGガンダム以来基本的にアナザーガンダムは小学生男子を切り捨てられておらず、鉄血ですらその層にアプローチしていたくらいなのだが、水星ではキッズは完全に切り捨てた。

子供向けアニメは子供以外見ない時代になった

結果的に子供向けアニメは子供以外の視聴者が見込めない時代となった。OCG時代の遊戯王は子供向けアニメか微妙だった、そもそも元の遊戯王マンガがジャンプ漫画で、キッズアニメより上の年齢層向けだったが当時の環境もあってキッズに受けてしまった。そのせいでOCG系はキッズアニメか厨ニアニメかよくわからない立ち位置になっていた。しかしそういうのが許される時代だった、5dsまではギリギリで、あの頃まではまだそこまでアニメのターゲット層は厳密じゃなかった。

しかし今は完全に厳密になった、ジャンプだけがかろうじてその曖昧な立ち位置を維持している、だから鬼滅ブームが起こせたところはある、ジャンプ系だけが曖昧なターゲット層で広くヒットが出せる状態だ。遊戯王はそのあたりもイマイチだ、子供向けアニメだし、子供以外の視聴が期待できない。

アニメ視聴者が子供じゃない時代に

少なくとも昔はアニメは子供だけが見るものだった、遊戯王誕生はるか以前は完全にそうだったし、遊戯王誕生期もまだ中学生以上でアニメ見るやつは色々アレな人でしか無かった、ジブリだけは許されてたけど。25年前くらいだとまだ小学生以下のアニメ視聴者が遥かに多かったと思う。

今はどうだ、サザエさん以外見ないようなカジュアル層は除外すると、多分もう小学生以下より中学生以上のほうが多いんじゃないか比率。映画興収は完全に小学生以外がターゲットっぽい方のが興収多いし。アニメもすでにキッズアニメ以外の方が9割くらいだし、むしろキッズアニメ探すのが大変な時代。

アニメの棲み分け時代に曖昧な立ち位置の遊戯王

現代はアニメ棲み分けの時代。昔みたいに子供向けアニメに子供以外が受ける要素を入れて広い層にフォーカスするようなアニメは減った。なんで男児向けアニメにヒロインとか余計なキャラがイルカって言うとターゲット層を広く取るため。今はそういうのがだんだん厳しくなってきている。

多分一番曖昧な立ち位置のアニメだったガンガムもその流れに抗しきれなくなってきてるし、水星はあえてある程度ターゲット絞ってる。種のときは公式サイドが思いつく限りの最大限の規模のターゲット層を設定していたが、10年代になってからだんだんとターゲット層を絞り出している。

遊戯王もその辺が限界が着ていた、そもそもDMからして多分中高生向けに書いてたら小学生に受けてしまった感じがあるし、ブーム時代のプレイヤーは小学生が多かったのにマンガはジャンプで主人公は高校生、モンスターデザインも厨ニチックなものが多かった。当時はポケモンやたまごっちやらでファンシーな人外キャラが食傷気味で、その反動もあったと当時のキッズとしては思う。FFはもうガキはお呼びじゃない雰囲気だったし、トレカはその前にポケカで日本で普及始まってて小学生が中心だった時代。少数の大人がMTGやって多数のキッズがポケカやってたのが97年頃。こんなちょっと曖昧なユーザー層が遊戯王の初期だったと思う。

もともと客層が曖昧だったのが遊戯王の強さだったと思う

だから根本的に遊戯王は最初からターゲット層の曖昧さがあった、それが遊戯王の強みだった。子供(小学生、幼稚園児)向けって製作者も消費者も理解しているような作品は、消費者が自分が成長によりターゲットから外れたと判断すると「卒業」してしまう。遊戯王はターゲットより下の世代に受けたからこそ何だと思う。97年の段階でTCGは大人のマニア(MTG)とキッズ(ポケカ)で大別されてて、遊戯王カードももともとM&GでモリンフェンなどMTGパロのモンスターも多く、明らかにMTGよりで作ったらなにかの間違いポケカ系のキッズのほうが反応した、これは遊戯王にとって20年以上続く原動力になったと思う。当時の日本のカード人口は圧倒的にポケカが強かったからこそ、その層がポケモンに飽きて一気に流入してジャンプ読者&ポケカ(ポケモン)流入組キッズという最強布陣になった、だから平均年齢が低い上にターゲット層より若い連中ばかりだから長く続けてくれるやつもそこそこ居たおかげで現在がある。

大体ターゲットより少し下の層に受けたコンテンツほど長生きしてるというのが俺の感想。冷静に考えると子供向けじゃないようなのはミニ四駆みたいに変なガチ勢がついて下支えになる。逆に大人オンリーになると格ゲーになる。

遊戯王は大人決闘者切り捨てたけどイマイチ新規がつかなくてすごく曖昧な立ち位置に落ちてしまったと思う。

そもそもマンガの1回のためのに1晩で考えたゲームなんだからもういろんな偶然が重なり過ぎたとしか言えないんだが。

ここ10年狭義のホビーアニメのヒットがほぼ無い現実

何度か指摘しているが、ここ10年でヒットしたキッズアニメは妖怪ウォッチとシンカリオン程度のだし、妖怪ウォッチは所謂ホビアニとは少し違うし(ゲーム販促、ゲームのルールで戦うわけではない、やや特殊)、シンカリオンはあくまでロボットアニメ。広義のホビアニではあるが狭義のホビアニではない。それにシンカリオンの姉妹作2作は割と空気だし、妖怪以降のレベルファイブも割と空気(むしろ叩かれまくってもっと悲惨)だし。

所謂厳密な意味でのホビアニ(ミニ四駆や遊戯王、ベイブレード、爆丸など)は10年でほぼ泣かず飛ばず、競技型玩具の販促系は本当に当たった話聞かない。そもそも大半がシリーズの影薄い新作で、新規は乏しいのだが。そしてそれらも大体跳ねない、空気が多い。

色々言われるビルドファイターズだが、無印に関してはまだ空気じゃなかっただけマシまである。それくらい最近のホビアニは割と空気率高い。

最近新規でキャップ革命ボトルマン(ほぼビーダマン)というアニメがあるが、ネットの反応は「アニメは言及せず玩具レビューしてるやつが多い」というポケモン遊戯王現象が最初から発生している。


終章・00年代の子供向けコンテンツみたいな感じ

ゴーラッシュは90年代というより、00年代の子供向けみたいな感じだった。別の記事で検証しているが90年代の子供向け、ホビアニ系は黎明期故の勢いがあり、00年代になるとマンネリ、ワンパターン化、DSによる玩具の存在感の相対的な減少もあり、子供向けアニメは勢いを失った。そしてDSに多数の子供向けゲームが発売されたが大半鳴かず飛ばず出終わった。

SEVENSはまだ個性みたいなのが感じられたけど、ゴーラッシュはなんかモンスターとかそっちの表現が無個性。量産型子供向けコンテンツっぽさが拭えない、00年代には売れない子供向けゲームがDSに大量に発売されていた。その辺と同じ空気を感じる。00年代後半から10年代になるとそのタイプは淘汰が進み、ボンボン等の消滅による宣伝場の消滅、レベルファイブ無双によって大半が居場所すら失い、固定客がいる奴以外は妖怪旋風で大体蹴散らされた。妖怪旋風以前はそこそこ発売されていたtheキッズ向けマイナーB級ゲーは妖怪旋風以降はほとんど見なくなった、今残ってるのは版権モノか逆にキャラクター色が薄いやつが多い。その妖怪旋風以前の子供向けっぽさが脱げないのがゴーラッシュな感じ。

ゴーラッシュ最大の欠点はVRAINSと同じくモンスター名が覚えられない事だと思ってるが、原因としてはラッシュのルールとは別に、モンスターデザインが没個性なところは確実にある。VRAINSは「要するに遊戯王モンスター」的なデザインが多く、十代のEHERO的な個性派集団感を感じられなかった。デザインが真面目なのが多い。特にファイアウォール・ドラゴンは性能面では多くの決闘者を苦しめたとは言えデザイン的には遊戯王のドラゴンって感じで、シグナー竜とかと比べるとちょっと没個性だったし。

ゴーラッシュのモンスターもなんかよくある遊戯王系とよくあるB級マイナーキッズ向けのデザインが混在してて、ひと目見てデザインが頭に焼き付くようなモンスターが見当たらない、ネーミングもなまじ元ネタの旧カードに似せてるせいでシンプルかつわかりやすい元ネタと比べて覚えにくいしわかりにくい。

DM時代なんかはデザインセンスが頭おかしいのが多く、見たら忘れられないようなのが多かった、サイコショッカー、リボルバードラゴン、オシリスなど個性的なデザインが多かった。ネーミングもわかりやすいモンスターが多かった。

なんか10年代のゲーム的な印象に残るタイトルは古いゲームに使われてしまい残った単語でなんとかタイトル作ったけど長くてわかりにくくて言いにくくてイマイチみたいなのがたくさん出てきたが、そういうのに近い感じ模する。なろうは逆の方面で進化した感じ。

遊戯王も本来の初期のマンガの意味とカード路線化してからで意味が変わった感はあるが、結果的にネーミング的に程よくシンプルで結果的にちょうどいい立ち位置になった気もする。

まとめ・ゴーラッシュの問題点

ゴーラッシュは子供向け故の没個性さ、新規系の差別化しようとして迷走、シリーズ物特有のマンネリ化と、ジャンルが持っている欠点が明確に出ていた。

特にカードデザインに印象が強い濃いめのデザインが無いのはキツイ。高橋のデザインセンスが理解できた。

またOCG時代末期と同じく大量召喚のせいで発生する1カード1カードの印象の薄さ。GX時代は出来ていたカードゲットイベントの簡略化などが行われてカードそのものの印象を深める要素が少ないなどがあり、全体としてなんとなく暇つぶしで見るアニメ程度の内容になってる。

箇条書きにすると
・モンスターデザインがどこかで見た感じのや子供向けの量産型デザインみたいなのが多く没個性
・全体的に00年代の空気だった子供向けの
・子供向けとホビアニ全体が跳ねない時代に子供向ホビアニ新規は厳しかった
・シリーズ内の新規シリーズの新作という形を取った結果、シリーズもの、新規作品ものの欠点が両立されてしまった
・ラッシュの大量召喚システムのせいで、ソリティア展開は避けられたがカード印象薄い問題はそのまま
・カードゲットイベントが少く、GXのような印象的なカードが無い

全体的に言うと普通だけど欠点がちょくちょくある程度。問題はアニメ200本の時代にこれだとパワー不足なだけ。現代のインフレした環境ではGX5dsでもパワー不足気味なのにそれよりパワーがないアニメではパワー負けする。アニポケも大概だがポケモン自体の強さ(人口の多さ)に甘えられるが、遊戯王は対戦ゲーで人口はそこまで多くないから底上げも期待できないし、OCGでもないから大半の決闘者が見る必要もない。

終わりに

子供向けアニメが跳ねない時代、決闘の高速化問題が解決されずカードの印象が薄い、普通の子供向けアニメ過ぎて普通の子供向けアニメと比べて戦闘シーンが間延びしているだけのアニメになってしまっている感じ、カード販促なのにカード使う決闘者がうまくカードと紐付けられてないなどどうも弱点が多い作品だと思う。ポケモンで言うとポケモンよりトレーナーが目立っている状態、ポケモンはトレーナーも原作キャラだからいいが、遊戯王はカードはともかく決闘者はオリキャラなのが更に厳しい。

もともとゴーラッシュの感想記事→GXに言及しだしたらなんでアニメ遊戯王は衰退したのか的な壮大な記事になる→俺の知識では書ききれないので調べなおすまで色々中断する→その中断した記事を簡略化する形でゴーラッシュの記事に戻るという壮大な遠回りでこうなった。元記事では現状だけでなくどう改革するかとかそういうところまで行っちゃっててもう収集がつかないので一度凍結しないと駄目だった。